JY-STORAGE

夏の間

あなたは目の

見えないままに瞬きする

夏の間

膨張するふたつの肺に

人知れず無感情な梅雨の病が

さながら亡霊のように深く深く染み込んでゆく

墓場の味

それはちょうど熟し切った果実のように

君の黒ずんだ脂っこい肌から

君の取り返しえない情念が

何か灰になってしまった涙のような情念が滴り出て行って

(──それは出来損ないの標本みたいにボロボロになった春

 自分がもうすぐ死ぬとわかっている春の病床の上で)

まるまると太った

不均衡な形の愛の像が出来上がる

こうして僕は

君の孤独にすら取り残される

君は制御を失った

そして君は僕の首元に

この血管の集中に

口づけした

噛むように

ほだすように

激しく

でも優しく

腐るように秋が降りて

眩い冬が去っていった

依然君は君の瞼の下

そしてその眼球の上には

厚い蜘蛛の巣がかかっている

僕は君の笑いに

ついていこうといつも必死だ

愛する人よ

あなたは目の

見えないままに瞬きする

すべての夏の間

すべての感覚に暗がりの怖ろしさが巣くう間

その危なっかしい感情のお手玉で希望が何であるかを教えてくれ

立ち止まってばかりいる僕のために僕のことを哀れんでくれ

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